今年読んだ漫画の感想を思い出せるだけ思い出して書いてみる
この記事は、雑談Slack Advent Calendar 2019 の14日目の記事です。
雑談Slack Advent Calendar 2019 - Adventar
昨日の記事はgggoootttoさんのEmojicode FizzBuzzという記事でした。Emojiでプログラミングができるというのは興味深いですね。
今回の記事は、私が今年1年間で読んだ漫画を思い出せるだけ思い出す、というエントリです。それでは行ってみましょ。
航宙軍士官、冒険者になる
『小説家になろう』の小説の商業化後のコミカライズ作品です。SFテイストを持ち込みファンタジー世界で活躍する、というなろう小説のスタイルの一つの作品であります。小説家になろうにおいてはSFテイストの作品はそんなに数があるわけではないのですけど。
この作品はコミカライズに当たり再構成が激しいです。たとえば、主人公のアランはなろう版序盤では頻繁に料理を作っています。しかしコミカライズ版ではかなり圧縮・省略しており、その描写は省かれています。アランは料理が趣味なのですが、コミカライズ版では調味料や調理器具をみたときに興奮するくらいで説明はないです。
とまあ、要素の取捨選択が原作を読むと物足りなく感じてしまいます。初見で読んだときでも駆け足感があったのでそこが少し残念なポイントですね。
ヒロインであるクレリアがかわいいのは良いところかと。事情があって食いしん坊になってしまうのがまたいいですね。
SF要素とそれに対するファンタジーの融合、主人公のアランが考えている俗物さ(そこまで俗物ではないんですけど『黒歴史w』とか『中二病w』みたいなことを考えます)、このあたりが良い塩梅で混ぜられています。おすすめです。
魔術士オーフェン 無謀編
今はなきレーベルである、富士見ファンタジア文庫で出版されたライトノベルのコミカライズです。本編であるライトノベルである『魔術士オーフェン』のスピンオフで、不条理なギャグを繰り広げるテイストです。
本編のコミカライズは2度、アニメ化も2度されていますが、こちらの無謀編は初コミカライズとなります。おそらく、2020年の本編の3度目のアニメ化に合わせて行われた大規模なキャンペーンの一環なのでしょう。
主人公のオーフェンがおおかた空腹・文無しのいずれかまたは両方の状態で話は始まります。顔が引きつり、相手を出し抜き金を巻き上げようと常に策略を巡らせています。
オーフェンは債権を回収できない借金取りを生業としており、回収見込みのまったくない貸した相手を探しに行っては回収できず、癇癪でレギュラーメンバーに魔術を行使し破壊を繰り返しています。
そのレギュラーメンバーの代表格がボルカンとドーチンの兄弟です。彼らはギャグ漫画であることを差し引いても頑丈です(本編でもそういう描写なので)。それを理由にするのはなんですが、1話にして平均4回はオーフェンの魔術で吹き飛ばされています。
オーフェンは『光の白刃』を使用する頻度が高いです。これは本編でもそうなので得意な魔術なのでしょう。街を巻き込んで大規模な破壊を起こし、作画カロリーの高い建物破壊を見ることができます。
この無謀編にのみ出る、派遣警察官のコンスタンス・マギーとともに事件を解決していく話となっています。
原作そのものがかなり古いのですが、ギャグとして風化しないものなので1回だけなら読む価値はあるでしょう。何度も見たい?原作読む?
紅殻のパンドラ -GHOST URN-
紅殻のパンドラ 無料漫画詳細 - 無料コミック ComicWalker
かの有名なサイバーパンクコミックである、攻殻機動隊のスピンオフとも言えなくもない距離にある漫画です。原案を士郎正宗さんが行っており、コミックスを購入するとファン垂涎の士郎正宗さん自らのデザインや長文を読むことができます。ファンがコミックスを買うのはこれが目的だったり…?
本編の話をしましょう。主人公である七転福音(ナナコロビネネ)はこの時代には珍しい全身サイボーグの少女です。攻殻的に言えば全身義体化ですね。
のほほんととぼけた調子で日常が進み、事件にネネたちが巻き込まれるというのがお話のスタイルと言えます。いわゆるシロマサワールド内の出来事ですので、シリーズで見たことがある人物や出来事がひょっこり出てくることがあります。
ネネと行動をともにするクラリオンという少女型のアンドロイドがネネを守護しています。彼女らのやりとりは百合百合しており、いわゆる『キマシタワー』というやつです。本編でも言及があるというのが若干メタフィクションめいていますね。
パロディーやギャグの割合もあり、そこはかとなくシロマサ漫画っぽさを感じます。ファンにはお勧め、百合を期待するなら無料オンラインコミックをちょっとみてから考えて、といった塩梅です。
虫かぶり姫
これも小説家になろう原作であります。俺としては珍しいチョイスかも。読んでみると少女漫画かなあと感じる作風となっています。
主人公は王子クリストファーの婚約者の公爵令嬢、エリアーナ・ベルンシュタインです。背の低いウェーブがかったロングヘアーの少女ですね。なんでもかんでも本を読むので『本の虫』転じて『虫かぶり姫』とあだ名を付けられているということでタイトルを回収しています。
エリアーナは劇中ずーっとポヤーッとしていますが、本で蓄積した知識を即座に役立て、周囲の者に教えることで好感度のブーストが常に掛かっています。
王子も最初からベタ惚れなのですが、すれ違うことも多く、邪魔をしようとする人物や出来事が次々と襲いかかってきます。そこを乗り越えていき、エリアーナは王子からの好意に気づいていく、という筋書きです。
比較するのもちょっとアレかもしれませんが本好きの下剋上の上から目線バージョン、のような感じです(転生はないです)(他意もないです)。
ディフォルメされた彼女が可愛らしいのでそれを見るのも良いかな。そして、絵の密度がかなり高く、緻密です。植物の出現率が高いのが少女漫画チックに見える一因かもしれません。
宙に参る
リイド社のWeb漫画レーベルの作品です。作者の肋骨凹介(あばらぼねへこすけ)さんは週刊少年ワロスというVIP系Web漫画サイトの出身で、ワロスで描いていた頃は俺も面識があります。飲みや遊びの時に「へーこすけ!へーこすけ!!」という謎のコールが起こりますが一気飲みはしません。
内容の話をしましょう。完全な宇宙SFです。登場人物はおよそ一癖も二癖も持っており、だいたい世話焼き気味です。主人公のソラは夫をなくした未亡人にしてエンジニアです。設定盛ってるね?
その息子、宙二郎とともに夫の遺骨をスペースコロニーから地球に持っていくお話です。SFの考証が細かく、工学系のお話が所々に入っているのがエッセンスですね。たとえば万力に固定した部品に金ヤスリを掛ける姿勢とかです。
作画としてはトーンワーク少なめベタ率高めの配分。見やすい絵ですね。TwitterでBlenderと格闘していたのでスペースコロニーなどの背景に3DCGも使っているとみられます。
スペース系SFとして面白いので是非に。
姫様“拷問”の時間です
ジャンプ+無料連載の漫画です。テンプレート的展開である『姫騎士』を下敷きとしたギャグ漫画となっています。魔王軍の拷問担当官のトーチャーが毎回手を変え品を変え捕らえた姫に拷問を行い、姫から秘密を聞き出すという展開です。
拷問とはいいますが、食べ物で釣ったり、目の前で遊んで見せて寂しさに訴えかけたりとそれはもうヌルいです。が、そのヌルい拷問の描写力や姫の物欲しさ(姫なのに物欲しがるんですね)がとても俺のツボをついてくるので、毎週の更新を楽しみにしています。一見シリアスな導入から入りますが、最終的にはほのぼのとした展開になるわけです。
姫はなんらかの快楽をチラつかせると確実に引っかかり秘密を話すのがお約束になっています。そのパターンも多岐にわたり、話も進むのでそこが良いところであると思います。
野生のラスボスが現れた!
なろう(略)。どうやら俺はアース・スター系が好みなのかもしれません。主人公の男の子がネットゲームのレベルカンストした女の子キャラのルファスに憑依してしまう、という話です。個人的に絵がとても好みなので単行本全部揃えて一気観してしまいました。
狙っているのかもしれませんが、車田正美漫画やSHADOW SKILLのようなテイストを感じます。装飾のある枠だとか、星座をもとにした12人の部下とか、1コマで敵を屠るとか?…うーん、決め手にかけますが感じるんですよね。
レベルカンストとレベルカンストをぶつけ合うRPG的な描画が見どころですが、格上が格下を叩きのめす展開が売りなんでしょう。
ルファスがすごい巨乳なのを俺が見ているのは気のせいではないです。
次回はまいさんの『今年役に立った心に優しいライフハックまとめを書きます』です。お楽しみに。